RURIKAさんとゆく新世界

その昔、通天閣の地下に「通天閣歌謡劇場」という土日だけ開催される小屋があった。そこで一世を風靡したのが”通天閣の歌姫”こと叶麗子さんである。おっちゃんたちが汗水垂らして稼いだシワシワの1,000円札を握りしめ、おひねりを差し出す。新曲発表会には、通天閣の真下に1,000人以上が詰めかけ、交通整理も出るほどの人気だった。

当時、僕は写真集を出版するために、編集者として、カメラマンとライターさんとともに連日、小屋に通い詰めていた。そのため、街の人たちともすっかり顔なじみになった。かれこれ30年以上も前の話である。

でぃすいずおおさか

ダンサーのRURIKAさんは、普段は訪問看護師だけあってとても気さくで誰にでも優しい。しかもとてもパワフル。どこか叶麗子さんに通じるものがあった。コロナ禍でひっそりとした通天閣の真下に立つだけで、存在感を見せつけてくれた。

こちらは、アール・デコ調の白亜の建物がインスタ映えすると人気の映画館。前身は昭和5年建築の芝居小屋で、洋画専門の新世界国際劇場とポルノ専門の新世界国際地下劇場がある。いずれも3本立てで、洋語劇場が1,000円、地下劇場が800円。今では珍しい絵看板は新世界名物だ。

幅3メートルほどの狭い通りの両側に、串カツ、どて焼き、ホルモン焼き屋などが軒の連ねるジャンジャン横町。坂田三吉ゆかりの地だけあって、将棋や囲碁クラブも点在している。

老舗喫茶店

かつてタウン誌を発行していたとき、毎月はがきを送ってくれる熱心な読者がいた。
20歳の青年タマイチくんだ。人伝に「今、店を切り盛りしている」と聞いたので、久しぶりにのぞいてみる。
店のオジさんに聞く。
「タマイチくんはいまどうしていますか?」
「ぼくです」
そりゃそうだ、オジさんとお爺さんですね。あれから30年も経っているのだから。そもそもタマイチというのは屋号らしい。昭和3年創業の「新世界で最も歴史ある喫茶店の3代目」健在なり。
よかった。

喫茶タマイチ
大阪市浪速区恵美須東3-4-1
TEL.06-6643-2309
Osaka Metro「動物園前」駅5番出口より徒歩5分
ジャンジャン横丁通天閣側

RURIKAさん
看護師、ダンサー、モデル
https://twitter.com/glamor_rurika
https://www.instagram.com/glamor_rurika/

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